私は時々珈琲屋へ行く
それは総武線沿いのどこかの
小さな商店街の中にある
レトロな店
あるいは
都電荒川線沿いの三輪商店街
いずれにしろ昭和の
においのする生活感あふれる
商店街
心が寂しくなった時
心細くなった時
診療内科で処方された
薬を一錠飲んで
珈琲屋へ行く
人を殺して服役したことのある
マスターが
丁寧に淹れる珈琲を
舌がやけどするくらい
熱い珈琲を
注意深く口の中で転がしなら 喉の奥へと
流し込む
癒される
ふと目を上げると
いつもの自分ちのリビング
手元には中古で買った文庫本
ただいま
さて家事でもやるか