四季折々の風の匂いを感じたい

日常の風景や、その日その時の思いを絵手紙の様に綴ってみたい、そんな気持ちで書いているブログです。

しめ飾り〜ゆる美の密かな執着と願い〜

2019年12月27日

ゆる美は百貨店でしめ飾りを買った

f:id:ba75pan:20191228081516j:image

こだわりは稲穂

稲穂がついていない物は

どんなに美しくても可愛くても

買わない

 

理由は願いを叶えるため

 

いつの頃からか

飾る時願いをかける様になっていた

「どうか今年も

食べ物に不自由しませんように」と

 

意地汚くも、切実で、生き物としての

正直な願い

 

稲穂があればそれが叶う様な気がしていた

f:id:ba75pan:20191228082022j:image

しめ飾りは年神様を迎えるための準備で

願かけをするための物ではない

 

それでも

今日まで生活してこられたのは

このお陰かも知れない

 

迷信深いゆる美はそんな気がして

こな習慣を止めることが出来ない

 

翌28日

玄関先に願いを込めて飾った

 

雲の切れ間から冬の柔らかい陽射しが

降り注いだ

 

テレビでは堺市の教員の残った給食持ち帰り問題を食品ロスの問題と絡めて報道している

 

一方では余った食べ物を廃棄し

一方では食べたくても食べられない人がいる

 

ゆる美は今さっき願った事が少し

後ろめたく感じられた

 

「みんなが食べ物に不自由しませんように」

と願うべきだろうか

 

生きている限り食べる事から逃れられない

 

腹一杯食べたいし

たまには贅沢な美味も味わいたい

 

そんな事を考えること自体罰当たり

なのだろうか

 

考えながら手はおやつに伸びていく

 

ピーナツチョコの甘さが口いっぱいに

広がって

思考が停止した

 

 

 

 

*一部フィクションを含みます